経済成長著しい越(ベトナム)
外資企業に優遇措置~成功の琉球ガラス~
県中小企業診断士とひろいわ学校卒業生の企業経営者ら12人がこのほど4泊5日で、経済成長著しいベトナム(越国)を訪れ、企業などを視察した。以下はその報告。
投資を熱望
那覇から台北経由でベトナム北部の政治経済の中心地ハノイに入った。ハノイ経済大学の教授ホアン・イェン氏がベトナム経済や投資状況について説明。
それによると海外からの投資を受けてベトナム政府は工業と観光を経済の中心に伸ばしたい意向のようだ。実際、外資企業にはかなりの優遇措置がある。ハノイ市では法人税は20%程度。投資政策は都市地区によって違いダナン市では8年間は輸出税がない。
次ぎに訪れた「リサーチ・インシュティユート・オブ・フルーツ・アンド・ベジタブル」は農業省の管轄で野菜、果実、花卉を研究している。ベトナムから輸出できる農産物を研究し、日本の高い農業生産技術には非常に興味を持っており、研究指導者や研究者の交流を模索中のようだ。
その後、沖縄からの10年以上前に現地工場をたてて成功しているベトナム琉球ガラス村を訪ね、現地企業責任者の安里彰博氏から説明を受けた。ベトナムの現地の声を聞くいい機会であった。
有望なリゾート地
3日目にハノイからベトナムの中間部のダナンへ。ここでは、リゾート施設やOKC社の三線制作所や黒糖の製造所を訪ねた。昔ながらの制作方法で生産していたが、工芸品はこのような方法が取れるのも人件費が安いためだ。物価も安く、手作業なら資本投資が少なくて済み、初期のベトナム参入には沖縄からは工芸品を委託生産させるやり方で可能性があり、大手との競争の心配が少ない。ベトナム在住者の宮城倉啓氏の案内で観光地、ホイアンも訪ねた。街並みが世界遺産に登録されている。そこは、4百-5百年前、日本や琉球、台湾との交易もあることで知られている。中国の海南島は300キロ弱の距離である。近くのダナンは120キロにも及ぶ粒子の細かい見事な砂浜が続く所。海がきれいで魅力的でリゾート地としても有望だ。
2週間ならビザ不要
アジア諸国は1997年のアジア通貨危機以降、これまでの10%近かった経済成長率を落としたが、ここ2,3年は確実に持ち直している。ベトナムはそういった意味ではアジア諸国の経済成長に少し遅れをとっている感は否めない。1975年の南北統一以後、1978年には自らのカンボジアの侵攻で資本主義諸国から経済制裁を受けざるを得なかったからだ。米国の経済制裁解除は94年である。1986年から始まったドイモイ政策で方向転換し、経済開放路線を取り、外資の導入を歓迎した。日本は92年からは継続的に開発援助を続けている。日本のODAは各国を抜いてトップ。1995年にはベトナムはASEAN諸国の仲間入りを果たした。
これからの発展の可能性があり、日本の企業も経済投資の可能性が見込める国の一つとして位置づけているのではないか。2004年の1月から、日本からは2週間の仕事や観光に関してはビザが要らなくなり、観光客は年々増加傾向だ。同年より、日越投資協定も発効され、今後、投資熱はさらに上昇しそうな気配だ。
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