2004年6月9日水曜日

インドネシア大統領選挙

5月末から6月初旬までインドネシアの東ジャワとスラウェシ島を訪ねた。現地の合弁会社と協力会社の商談と訪問である。ちょうど訪ねた週の6月1日は、インドネシアは大統領選の選挙キャンペーン期間に入った日であった。

選挙キャンペーンは、今月6月1日より7月1日まで1ヶ月間である。選挙となると、なにかと騒々しくなるのはインドネシアのみならず東南アジアでは常である。今回、インドネシアは事情がちょっと違う。


史上初の国民直接投票による大統領選挙であり人々の関心も日増しに上昇するし、また雨季の終わったあとの気温はインドネシア全島あげてヒートアップするのは確実だろう。投票は7月5日である。選挙戦は5人が立候補し、事実上、現大統領のメガワティ大統領、世論調査で一番人気の国軍改革派出身のユドヨノ前調整相(政治・治安担当)とウィラント元国軍司令官を加えた事実上3人の争いとなる。

 選挙となるとどこでも人が動く、インドネシアでは首都ジャカルタのあるジャワ島をはじめたくさんの島々からなる、カリマンタン島、スラウェシ島、スマトラ島、パプアニューギニアのイリアンジャヤと大きな島でも5つあり、日本の倍以上の人が住む。島というが日本の島々とは訳が違い大陸のように大きい。その各地を遊説、キャンペーンし移動するとなると大変だ、人も動くし、金も動く。各地方でキャンペーンがあるとホテルも航空機も予約で満ちあふれる。

 私も前回の大統領選のときにジャワ島のスマランでそれに遭遇した。ジャカルタに日本から到着し、スマラン行きの便を探すのだがどれも満席だ。その日と翌日にキャンペーンがスマランであったのだ。当然私はそれを知らない。ジャカルタから距離にすると400kmぐらいだろうか飛行時間にすると45分ぐらいである。列車でいくと5,6時間はかかる。チケットカウンターに駆け込み、頼んでみるのだがどれも満席で当日の航空チケットが取れない。あきらめかけていた時、近づいて話かけてきた現地の男性がいた。どこへ行きたいのかと聞かれ、私がスマランだと言うとどれも満席だろう言われた。そうだ、と返事をすると、俺がなんとかしてチケットを探してあげるという。私はジャカルタで1日過ごすよりはどうしてもその日のうちにスマランに行きたかったのでこのダフ屋にお願いした。もちろん、通常よりも金額は高い。私はエコノミーで行く予定だったのをファーストクラスのチケットを買わされしかも通常金額の1.5倍くらいの料金を支払った。彼は通常チケットを持ってないと入れない出発ロビーまで案内してくれ、私を見送った。

 それから、1時間余後にスマランに着き、出迎えの現地の工場オーナーにどのようにしてジャカルタからスマラン行きのチケットを探したのか訪ねられ、私がダフ屋から買ったというと彼は“それは正解だ”と言い、私のチョイスは間違っていないと教えられた。事実その日はいつもの宿泊のホテルは予約でいっぱいで町外れのホテルに投宿となった。

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